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October 22, 2006

NHKスペシャル「首都直下地震」

9/1に放送されたNHKスペシャル「首都直下地震」の再放送がありました。
本放送で見逃してしまったので、再放送を待っていたのですが、やっと見れました。

例によって、備忘録としてご紹介します。 ※は私のコメント
テーマは首都直下地震の被害想定に含まれていない、今まで見過ごされていた3つの問題についてです。

1)旧耐震マンションの対策
2)谷埋盛土の住宅地の崩落
3)地震水害(液状化による堤防の破損による水害)

1)旧耐震基準のマンションの進まぬ耐震対策
 都内の旧耐震基準の分譲マンションは、9271棟。都心に限れば半分が旧耐震のマンション。
 新耐震基準となった昭和56年までに、全国で2万棟のマンションが作られ、その多くは今も使われている。

 築地のマンションでは、耐震改修工事に3億円。 1世帯当たり65万円の負担の見積が出た。
 年金生活者など負担できず反対も多かった。
 そこで、一部損傷の恐れはあるが倒壊は免れる工法で見積もったところ8500万円(20万円以下/世帯)となり、
合意に至った。

 さまざまな対策を検討し、実現可能な対策を行う事が大切。

  ※ここで紹介された安い工法は、柱に炭素繊維シートを巻きつける工法。
    耐震改修問題が騒がれた当初、こういった工法はなかった新しい工法だが、反対意見の中には今無理して耐震改修を行わなくとも、もう少し待てば安価で実現できる工法ができるのではないかという声もあるはず、誰もが余計な出費をしたくないと考える中で、適切なタイミングで合意を得る事の難しさを感じます。

やはり、期限付きの耐震改修補助制度によって、背中を押して貰うのが一番なのでしょう。

2)谷埋盛土住宅地の崩落
 2年前の新潟中越地震で、はじめて明らかになった問題。
 造成された住宅地の中で、谷部分を埋め立てた土地が地震によって動き、住宅地が崩落するという問題。

 全ての谷埋盛土が危険な訳ではなく、地下水が溜まった場所が危ない。

 政府は、今年8月に各自治体に対して危険地域の調査を要請した。

首都圏の某自治体では、年間200~300件の造成が数十年に渡り行われており、10年以上経ったものは資料も残っておらず、調査には膨大な時間が掛かるようだ。

 これに対する対策は、地下水を抜くパイプを地中に埋める工事だが、1軒当たり200万円程度の費用が掛かる。
 
 ※住宅の所有者から見れば、突然「あなたの土地は危険です、200万円掛かります」と言われれば寝耳に水の話。 耐震偽装のように誰に過失がある訳でもない。 まして、同じ造成地の中でたまたま盛土をした場所を選んだというだけで、このような問題に直面するなど納得できない問題だ。

3)地震水害
 東京東部の隅田川と江戸川に挟まれた地域はゼロメートル地帯と呼ばれ、地下水の汲み上げによる地盤沈下により海水面よりも土地が低い。 この対策として特殊堤防が作られているが、この堤防は地下20m程度であり、軟弱地盤である沖積層に打ち込まれている。

 地震が発生すると液状化現象により、この地盤が川側に動き堤防が破損する。満潮時などは、ここから水が浸入し、広範囲で水害が発生する。

 シミュレーションによると、地震発生後2時間程度で459平米が深いところで水深5m程度の水に浸かってしまう。 被害は東京都23区の2割の面積に相当し、150万人が被害にあうようだ。

 地震による家屋倒壊などで救助を待つ人も、助けられる事なく水に浸かってしまう可能性がある訳で、とても恐ろしい状況。

都は護岸の改修を進めているが、100mの工事に3億かかり、全ての改修を終えるのに10年以上掛かる見込み。 水害だけに一部でも決壊すればその影響は広範囲に及ぶ。

※私の住んでいるのはまさにゼロメータ地帯、番組で紹介された場所もよく通ります。
  マンション住まいなので、直接水害に合う事はありませんが、地域の避難所は水没、ライフラインの復旧も望めず重大な問題です。
最近、近くに建つマンションのセールストークのひとつは、地下52mの強固な地盤まで杭を打っているという事。
 でも、ライフラインや周辺一体がダメなら海の中の難破船状態ですよね・・・

隅田川と江戸川に挟まれた一帯は、軟弱地盤の沖積層が深く、50m以上の杭を打たないと安全な地盤に届かないようです。

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