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July 02, 2007

消防庁が支援物資の調整役に

阪神淡路大震災でも、新潟中越地震でも、支援物資の需給の調整が機能せず大きな問題となった。
 この対策として消防庁は地方公共団体の備蓄状況をデータベース化し、支援の必要な場合は消防庁が調整を行う事を検討している。

緊急物資に関しては、各地方公共団体で備蓄し窓口は設定されているものの、国内でその情報が統一的に把握されておらず、また被災時の緊急物資の支援に関する取り決めがないため、大きな混乱の元になっています。

 被害が発生したときの事を考えてみると・・・
1)被害状況を把握する。
2)必要な物資と必要な量を把握する。
3)自身の備蓄状況を確認する。
4)必要な物資を持っているところを探す。 ⇒個別交渉
5)必要な物資を支援して貰うよう要請する。 ⇒個別交渉
6)必要な物資を送って貰う。
7)到着した物資を配布する。

だいたいこのような手順となりますが、全て被災地側の行政で対応しなければならないのが実情です。
今回の消防庁の試みは、3)をデータベース化して全国レベルで共有し、4~6を消防庁が調整役となり、その役割を担うという計画のようです。

大変すばらしいプランですが、なぜ国が阪神淡路大震災の教訓を活かして今まで整備してこなかったのかという疑問が先にたちます。
 縦割り行政の弊害というやつなのでしょうが・・・

被災直後はスピードが命、被災地は被災状況の把握と被災者への対応に専念すべきで、支援側との交渉などは、被災していない場所で行うべきです。

被災地が被害状況を報告すれば、調整役が全国の地方公共団体や企業と交渉し、被災地に届ける。
現在は被害想定システムもありますから、被災地からの被害状況報告をまたずとも、支援の準備ができるはずです。

阪神淡路にしろ、新潟中越にしろ、首都直下型地震や東海、東南海、南海地震の被害想定から比べると、その被害範囲も被災者数も格段に少ないと言えます。 
  被災地と支援地の個別交渉で支援をするような仕組みでは、とうてい成り立たないでしょう。
ほとんど機能しないのではないかと思います。

消防庁の今回の試案、なぜ消防庁なのかという疑問もありますが、国としてこのような役割を担う機関は絶対必要ですし、 連絡から物資供給までシステマティックに整備し管理できなければなりません。

 今回は、対象には企業は含まれていないようですが、現在個別に地方公共団体毎に結んでいる企業との支援協定についても、窓口を一本化して対応できるようにするべきでしょう。

 個別の企業とでは、全国レベルでのフォローは困難でしょうから、業界団体と協定を結び、場所によって担当する企業を決めれば良いのです。

 またもうひとつの課題として、交通規制等により支援物資を届けられない、届けるのに時間が掛かるといった問題がありますが、これについても調整役が被災地外に物流の調整場所を設置し、仕訳したうえで届けるといった仕組みが必要なはずです。

 被災地から要請や注文を受けた地方公共団体や企業のトラックが直接被災地に入るよりも数倍効率的な物流ができるはずです。
 たとえば5箇所の避難場所を廻るトラックが10台被災地に入るよりも、被災外の物流基地で仕訳して少ないトラックで被災地に入ったほうが、道路状況が悪く・混乱している被災地では効率的に動けるはずです。

ノウハウが豊富で、GPSや通信設備を持つ宅配業者に委託するのが一番なのでしょう。

話が長くなってしまいましたが、支援物資の供給について全国レベルのシステムを構築し、被災地が最小の労力で対応にあたれる仕組みづくりは、急務だと思います。

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