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October 19, 2007

BCP策定率が下がったわけ

危機管理産業展2007のシンポジウムの講演の中で、「なぜ、企業のBCP策定率が下がったのか」という話がありました。

 2005年25%(三菱総研調査)、2006年15%(KPMGビジネスシュアランス調査)、2007年 8%(日本政策投資銀行調査)
 
 と、05年25%が07年1/3以下に下がっています。 いずれも上場企業などを対象に十分な調査数での調査結果です。

 講師の三菱総研と日本政策投資銀行が共同で追加調査を行ったところ、BCPの定義の問題だったそうです。
つまり、05年に「BCP策定済み」と回答した企業は、BCPをよく知ると自社が策定していたのは防災計画(応急対応計画)であってBCPではなかったという事を理解し、06年、07年の調査では「策定済み」と回答する企業が減ったようです。

 では、BCPの要件とはなんでしょうか・・・
1)脅威の想定: 地震、風水害、感染症、テロ・・・
2)事業影響分析: 脅威の発生による事業への影響を定量的に分析する。操業停止日数、シェア喪失等
3)回復目標の設定: 目標時間と目標レベルを設定する。
4)目標実現のための施策 耐震対策だけでなく、物流や要員確保、資金繰りまで、手を打つ
5)事業継続マネジメント(BCM)の体制: 作って終わりでなく、PDCAサイクルの体制、教育訓練を実行
(以上。三菱総研 古谷研究員の講演より、コメントは私流解釈)

 これは、とても大変な作業です。 単にBCP関連の本やBCP策定指針の類を集めて自社に合いそうなものを集めて記入するといった表面的なマニュアル作成作業ではなく、自社の業務プロセスを詳細に分析し、ひとつひとつ手を打たなければ、実行性のあるBCPにはならないでしょう。

 そしてBCP策定にあたっては、取りまとめ部門が各部門に調査依頼をし、回答を得て、計画立案するというパターンでしょう。

 しかし、各部門のBCPに対する理解が甘いと、「3割くらいの要員は集まるだろう・・・」といった想像で回答し机上の計画になりがちなようです。

 BCPを理解した人がファシリテーターとなり、策定方法を示しながら回答を導き出すといった手法が必要なのかもしれません。

 BCP策定に関して、三菱総研の方のプレゼンからもうひとつ参考になる話をご紹介します。
脅威にはいろいろあるが、それぞれについてBCPを策定する必要があるのか?」という話。

 脅威を経営資源毎のダメージ度で類型化すれば、それぞれ作成しなくても良いというのが、答え。

 経営資源を、要員確保、建物、設備、システム、インフラといった具合に分け、それぞれの脅威が経営資源にどれだけ影響を与えるかで分類すると、共通項が見えてきて策定しやすくなるそうです。

 地震なら建物や設備への被害があるが、新型インフルエンザの流行なら要員や物流の問題だけといった感じです。

 それぞれの脅威で、被害の種類や復旧の手順などは違うのでしょうが、類型分類する事によって、かなりシンプルな作業にできそうです。

 シンポジウムの内容のほんの一部をご紹介しましたが、大変参考になりました。

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