荒川浸水アンケートはおかしい!!
1/30日経夕刊に「荒川浸水 避難勧告出ても・・半数以上が「自宅に残る」」という記事が掲載されました。
都・埼玉県の浸水想定対象地区の住民に対し、インターネット上で中央防災会議がとったアンケートです。
この記事によると、避難しない理由として最多は「マンションなどの上層階に住んでいるから」でした。
しかし、これはアンケートの仕方、もしくは記事が悪いです!!
アンケート調査項目が明らかになっていないからアンケートの問題かどうかは断定できませんが・・・
なぜなら、区のハザードマップによると、「避難勧告が出ても浸水しない階に住む人は、避難せず現状維持する」と記載されているからです。
つまり、浸水しない階に住む人は、避難勧告が出ても避難せず現状待機と区が指示を出しているのにもかかわらず、アンケートでは避難対象者かどうかの区別をせずに同様に扱って調査をしているようです。
私も浸水想定対象地区の葛飾区の住人であり、浸水しない階に住んでいるので、避難対象ではありません。
この記事を読んだ読者は、「避難勧告が出ているのに、避難しない人が半分以上いるんだ」と読むでしょうし、中央防災会議のメンバー(おそらく大規模水害対策に関する専門調査会)が、「ちゃんと避難するような施策が必要」と、誤った判断をするとしたら怖ろしいです。
同時に、報道されるアンケート調査の結果を鵜呑みにしてはいけない事を改めて感じました。
それから、現状の大規模水害に対する計画はまったく貧弱なのです。
葛飾区だけでも44万人のほとんどが浸水想定対象地域となっており、隣接する松戸や市川市に避難しろと言っていますが、千葉県と具体的な協定を結んだとか、どの地区の住人はどこの避難所に避難すべきか具体的に示されていません。
もし高層階の住人も含めて避難するとすれば、全域が浸水する14~16時間で避難というのは無理な話です。
荒川の堤防決壊による被害者は最大240万人とい言われており、具体的な避難計画なくして成り立つとは思えません。
東京に限らず、名古屋・大阪などゼロメートル地帯での取り組みはどうなのでしょうか?
話題の新大阪府知事、良い対策を講じてお手本を見せていただきたいですね。
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