December 06, 2008

建設業のBCP策定率が低い・・・

12/4の新聞に「建設業のBPC策定率が16%と低水準」という記事が載っていた。
関東地方整備局が管内の600社の建設会社を対象に行ったもの。

 復興の要となる建設会社で16%というのは、残念な数字ですね。
建設会社でこの状態であれば、下請け業者はもっと悪い結果でしょう。

 建設会社にとっては、被災後は大きなビジネスチャンスのはず。
もっと関心を持って、他の業界に先駆けてBCPを策定するべき業界だと思います。

 建設業が早期に事業の再開ができれば、復興までの期間も短いはず。
それが私たちが日常を取り戻す近道にもなります。

国ももっとこの業界に対してBCP策定の支援を積極的になるべきだと思います。

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September 05, 2008

リケンの教訓は、BCP策定に参考になる

新潟中越沖地震で被害にあった、リケンの被災と復旧の状況が、「SAFETY JAPAN」で公開されている。
 国内最大のサプライチェーンである自動車産業の一翼を担う企業の被災という事で話題になった企業だ。

復旧に際しては、国内自動車メーカーが積極的に支援を行い、短期間に復旧を実現している。
企業(特に製造業)のBCP策定にあたってとても参考になる記事だと思います。

 この記事を読む時に「もしBCPが策定されていたら?」を気にしながら読んだのだが、「BCP策定委員会」みたいな組織で作ったBCPがあったとしても、あまり役に立たなかったのではないかと感じた。

 工場や製品の特性を考慮し、現場を巻き込んで何度も練り上げていく、そんなBCPの作り方が必要だ。
雛型のBCPを自社流にアレンジして(スタートはそれでも良いが)、BCPが完成したと思ったら甘いと思う。

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August 25, 2008

あなたの危機管理理解度は?

現在、「リスクマネジメント検定」が日経IT Proのサイトで行われている。
 
 企業のリスクマネジメント(危機管理)について、すべての管理職や部門リーダを対象とした基本コースと、経営者やリスクマネジメント関連部門向けの専門コースがあります。

 なかなか良くできた問題です。 ぜひ挑戦してみてください。
このブログでも、危機管理についての基本的な考え方については、過去のご紹介していますので、リスクマネジメントって何?って方でも、結構判るのではないでしょうか?

 ちなみに私は、基本コース120点で合格! 専門コースは残念ながら230点で、あと1問正解すれば合格でした。 まだまだ勉強が足りませんね!

さまざまな防災についての紹介を見ていて思うのですが、

1.災害が起きると、こんなひどい目に遭います。ヤバイでしょ!
2.こんな事を知っていると、助かります。 被害が少なくて済みます!
3.こんな商品があると、ひどい目に遭わずに済むカモ!
といった、シナリオ設定型の紹介が実に多いですね。

興味を持たせ行動に結びつけるためには、仕方ない手法なのでしょうが・・・

 それで視聴者・読者は、「これはマズイ、備えなければ!」となります。
こういった、全体を見ない場当たり的な防災対策は役に立たない危険性をはらんでいます。

自治会の防災対策の議論で話がまとまらないのは、それぞれ「これはマズイ!」と思うことの評価が違うからで、その印象だけでの評価になってしまうからです。

 リスクマネジメントの考え方は、優先順位ありきで対策を講ずる事。
 発生頻度と被害の大きさ(被害金額ではなく、困り度)で評価をします。

防災対策においても、リスクマネジメントの考え方で整理して有効な対策を講じる事が、とても大切だと思います。
 ぜひ危機管理の基本的な考え方を学んでみてください。 
きっと日常生活の様々な判断でも、役に立つと思います。

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October 19, 2007

BCP策定率が下がったわけ

危機管理産業展2007のシンポジウムの講演の中で、「なぜ、企業のBCP策定率が下がったのか」という話がありました。

 2005年25%(三菱総研調査)、2006年15%(KPMGビジネスシュアランス調査)、2007年 8%(日本政策投資銀行調査)
 
 と、05年25%が07年1/3以下に下がっています。 いずれも上場企業などを対象に十分な調査数での調査結果です。

 講師の三菱総研と日本政策投資銀行が共同で追加調査を行ったところ、BCPの定義の問題だったそうです。
つまり、05年に「BCP策定済み」と回答した企業は、BCPをよく知ると自社が策定していたのは防災計画(応急対応計画)であってBCPではなかったという事を理解し、06年、07年の調査では「策定済み」と回答する企業が減ったようです。

 では、BCPの要件とはなんでしょうか・・・
1)脅威の想定: 地震、風水害、感染症、テロ・・・
2)事業影響分析: 脅威の発生による事業への影響を定量的に分析する。操業停止日数、シェア喪失等
3)回復目標の設定: 目標時間と目標レベルを設定する。
4)目標実現のための施策 耐震対策だけでなく、物流や要員確保、資金繰りまで、手を打つ
5)事業継続マネジメント(BCM)の体制: 作って終わりでなく、PDCAサイクルの体制、教育訓練を実行
(以上。三菱総研 古谷研究員の講演より、コメントは私流解釈)

 これは、とても大変な作業です。 単にBCP関連の本やBCP策定指針の類を集めて自社に合いそうなものを集めて記入するといった表面的なマニュアル作成作業ではなく、自社の業務プロセスを詳細に分析し、ひとつひとつ手を打たなければ、実行性のあるBCPにはならないでしょう。

 そしてBCP策定にあたっては、取りまとめ部門が各部門に調査依頼をし、回答を得て、計画立案するというパターンでしょう。

 しかし、各部門のBCPに対する理解が甘いと、「3割くらいの要員は集まるだろう・・・」といった想像で回答し机上の計画になりがちなようです。

 BCPを理解した人がファシリテーターとなり、策定方法を示しながら回答を導き出すといった手法が必要なのかもしれません。

 BCP策定に関して、三菱総研の方のプレゼンからもうひとつ参考になる話をご紹介します。
脅威にはいろいろあるが、それぞれについてBCPを策定する必要があるのか?」という話。

 脅威を経営資源毎のダメージ度で類型化すれば、それぞれ作成しなくても良いというのが、答え。

 経営資源を、要員確保、建物、設備、システム、インフラといった具合に分け、それぞれの脅威が経営資源にどれだけ影響を与えるかで分類すると、共通項が見えてきて策定しやすくなるそうです。

 地震なら建物や設備への被害があるが、新型インフルエンザの流行なら要員や物流の問題だけといった感じです。

 それぞれの脅威で、被害の種類や復旧の手順などは違うのでしょうが、類型分類する事によって、かなりシンプルな作業にできそうです。

 シンポジウムの内容のほんの一部をご紹介しましたが、大変参考になりました。

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July 19, 2007

BCP策定にはずみがつくか?

新潟県中越沖地震で、自動車部品大手リケンの主力工場停止により、トヨタ自動車をはじめとする大手5社は生産を一時休止せざるを得ない状況となってきた。

 日本の代表的な産業である自動車産業の一角を担う企業の操業停止により、自動車メーカー主要5社が生産停止となるのは日本でも初めてのケースでしょう。

 これを機に経済界で、サプライチェーンを含めたBCPの策定(取引会社を含めた事業継続計画策定)が加速されるのは必至と思われます。 
 もしここでやらなかったら欧米から日本企業の危機管理意識の低さに大きく評価を落とすでしょう。

サプライチェーンを巻き込んだ対応となれば、多くの企業が対応を迫られるはずです。

 NIKKEI NETに中越沖地震関連の企業の適時開示情報一覧が掲載されています。リンク先の検索キーワードで「中越沖地震」で検索してください。

BCPについては、私も以前から注目しており、過去に様々な記事で取り上げています。
右側のカテゴリーから「BCP」を選択すると関連記事が表示されます。

早期復興のためには、行政の対応も重要ですが、企業の早期操業再開が不可欠です。
多くの企業がBCPを策定し、減災と早期操業再開に努めれば、社員は家庭でもその考え方を実践し、自助も進むのではないでしょうか?

この機会に自社のBCP真剣に考えてみてください。

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June 21, 2007

中央省庁のBCP

内閣府は中央省庁の業務継続計画ガイドラインを策定した。 これを元に各省庁版を今後策定するようだ。

米国では、民間企業を対象としたものを、業務継続計画を事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)と呼び、官庁を対象としたものを業務継続計画(COOP:クープ:Continuity Of Operation)と呼ぶ場合が多いとか。

違いは文字通り、事業の継続が主体か、業務の継続が主体かの違いのようだ。
※本記事のタイトルでは、BCPが一般的に知られている事からあえて、BCPと書いた。

日本の中央官庁では今後「業務継続計画」に統一するらしい。

 この業務継続計画ガイドライン、策定にずいぶん時間が掛かったという印象。
でも、なかなか良い事が書いてある。

[以下、ガイドラインの基本的な考え方から抜粋と要約]
1)非常事態についての組織の「想像力」の強化
 発生しうる事象の想像・想定を行い、影響と対策を考える。

2)ボトルネック情報の共有と漸進的な業務継続力強化
 すぐに解決できない問題にも目をつぶらず着目し、段階的に時間を掛けて改善を行い、業務継続力を向上させるべき。 

3)全体最適の視点の重視とトップマネジメント
 ものや人の資源が限定される状況の中で、部分最適よりも全体最適を考える事が大切で、その調整にはトップマネジメントが不可欠である。

[抜粋終わり]
 この3点は、とても大切なことです。
防災対策としてだけではなく、組織の改善を考える上でも重要な事だと思います。

 このガイドライン、企業のBCP策定に於いてもとても参考になると思います。
BCP策定に関わられている方は、ぜひ一読される事をお勧めいたします。

また、家庭や自治会などの組織に於いても、この考え方は大切です。
お金など資源が制約される中で、何に重点をおき防災対策を行うのか、このガイドラインに示されている考え方に基づいて議論すると、よい結論が得られるのではないでしょうか?

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April 19, 2007

三重地震:被害がなかった報道も大切。

先日の三重地震で、震源地そばのシャープ亀山工場はほとんど被害がなく、すぐに操業が再開された事をマスコミ各社で伝えていた。
 
 私は、えらくあっさりした報道だなと感じました。
被害がないのは話題性がないと判断されるからでしょうが、なぜ被害が出なかったのかをちゃんと伝えるべきだと思います。

 日経ITProでは、シャープ亀山工場が耐震・制震構造だった事を伝えています。
 ※一部報道では、免震構造と報道されていましたが、耐震・制震構造が正しいようです。

シャープでは、事業継続計画(BCP)がきちんと策定されているようですが、今回の地震ではその発動には至らなかったようです。 

最新悦の液晶工場ですから、とてもデリケートな環境であるはずです。きちんとBCPを策定し、耐震・制震構造だったからこそ、すぐ操業再開ができたはずです。

シャープも詳細な調査を行い、事前対策の効果をアピールすべきだと思います。
テレビCMで「亀山ブランド」を宣伝する程なのですから、「亀山ブランド」の確率に大きく貢献するはずです。

ブランド力に甘え、ずさんな衛生管理をしていた不二家と、新しく「亀山ブランド」を確立するべく災害リスクマネジメントをしっかりやっていたシャープ、本来のブランドの意味を考えさせられます。

 品質と信頼の証がブランドのはず、多くの企業が考え直す機会を与えてくれたのではないでしょうか?

たとえ、もっと大きな地震だったとしても、会社がきちんとBCPを策定し、社員への啓蒙・教育が行き届いていれば2次災害を防ぐなどの効果も大きかったはずですし、操業再開が早ければ社員や地域の復興も早いはずです。

 危機意識を煽るだけでなく、事前対策による効果がどれだけ大きかったのかをキチンと報道すれば、なかなか進まない日本のBCP策定も変化が現れるはずです。

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February 08, 2007

DoCoMo,FOMA/衛星/無線LANシステム提供

NTTドコモは、FOMA/無線LANデュアル端末で、衛星通信を利用した通話が可能になる「ヂュプレスター」システムを法人向けに発売した。

「デュプレスター」は、災害時や非常時に携帯電話網が使えない場合でも、衛星回線を使用して音声通話を実現するシステム。(以上、RBBTODAYより)
 
 言葉だけで説明するのは判りにくいが、災害時にFOMA通信網が使えなくなったエリアに於いて、
衛星電話(ワイドスター) →デュプレスターSIPサーバ(無線LANルータのようなもの)→FOMA/無線LANデュアル端末という経路で通信が可能になる。

 たとえば、全国の本支店に衛星電話とSIPサーバを一式装備し、FOMA/無線LANデュアル端末を複数台配備しておけば、被災時にFOMA網が使えなくても衛星電話を経由して、SIPサーバの周囲30mの範囲で音声通話ができるようになるようだ。 

 被災時の情報連絡は最重要課題だが、衛星電話を全国に配備するにはコスト的にも日常業務的にも難しい。
端末は日常も使える携帯電話で、衛星通信のセットが1式あれば音声通話ができるのは、なかなか現実的なシステムのように思える。

また、たとえば山中の工事現場などFOMAの電波が届きにくいところでも、このシステムがあれば周囲でFOMA携帯が使えるので、日常業務でも実用的なシステムでしょう。

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November 11, 2006

地震デリバティブ付きローン登場

中小企業の約9割が「地震は経営上の重大なリスク」と認識しているにも係わらず、5割は財政面で具体的な危機管理対策を取っていないという。

 そんななか、地震デリバティブ付き中小企業向け新型ローンを、りそな銀行、野村證券、損保ジャパンの3社が年内にも始める。(11/10日経朝刊) 現状、各社のサイトに該当ニュースは掲載されていない。

数%高い金利だが、返済中にマグニチュード7以上の地震があると、震源地から一定範囲の企業は融資残高の半額を災害補償金としてすぐに受取れる。

また中小企業庁が定めるガイドラインに沿って防災計画を作れば、金利を割り引く仕組みも導入する予定。
りそな銀行が大阪府を対象に取り扱いをはじめ、各地に広げる予定。

 デリバティブなので実害の有無は関係なく、すぐに支払われる点が地震保険との違い。
企業の再建に使っても、社員の生活復興支援に使っても良い訳で、早期に業務の原状回復ができ、ローンを払える状態に復帰できる。

損保ジャパンは、天候デリバティブや地震デリバティブをすでに商品化している。
デリバティブの良い点は先ほど紹介した、トリガーイベント(どこでどの程度の地震が発生する)という条件さえ満たせば損害の有無に係わらず支払われる点。
 悪い点はトリガーイベントの基準に満たなければ、損害があっても支払われない事。

 たとえば東京では、北緯35度20分~36度5分 東経139度75分~140度15分の範囲にM7.1で震源の深さが60kmより浅いという条件(トリガーイベント)になっており、契約企業の場所で震度が幾つであっても支払われるが、東海大地震による長周期地震動の影響で建物が倒壊しても支払われない。

最近は天候デリバティブが人気と聞いているが、今後地震デリバティブも注目されるのでしょうか?

先日は、日本震災パートナーズの新型地震保険をご紹介しましたが、地震保険だけでなく、さまざまな形で地震リスクを担保しておく必要があるのでしょう。

企業の社会的責任や自然災害など、企業の存続を左右するリスクが多い世の中です。
企業の危機管理能力が問われる時代になったと言えるでしょう。

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October 05, 2006

防災対策で利益保険料割引

損害保険ジャパンと日本政策投資銀行は、BCP策定や防災対策を行う企業の支援について、業務協力協定を結んだ。(10/5日経朝刊)

 日本政策投資銀行が行う防災格付けのランクに応じて、損害保険ジャパンが企業費用・利益総合保険の保険料を割り引くという内容。

企業費用・利益総合保険は、営業休止・阻害による休業損失及び/又は営業継続費用を補償する保険。
政策金利Ⅰのランクに対しては最大5%、政策金利Ⅱのランクに対しては最大10%の優遇割引を行う。

この利益保険は、BCPを策定している企業の多い欧米では多くの企業が加入しているが、日本での加入率は10%と低い。

 防災格付けには、二つのランクがあり、

 優れている:[政策金利Ⅰ]
 (1)応急対応を中心とした防災計画の策定
 (2)生命安全確保策の整備
 (3)施設安全策及び設備の状況把握
 (4)教育・訓練の実施
 (5)周辺地域への二次災害防止策の整備
 (6)点検・見直し体制の整備
※(1)~(4)と(5)もしくは(6)を満たす事が条件

 特に優れている:[政策金利Ⅱ]
※上記優れているに加え、以下から4つ以上を満たす。
(7)事業継続計画(BCP)の策定
 (8)建築物の耐震化等の施設減災対応
 (9)重要業務のバックアップ体制整備
 (10)地域連携の実施
 (11)サプライチェーンにわたる防災対応
 (12)情報公開・社会貢献への取組み
  
2008年を目標に進められている、BCPのISO規格化に向けての動きのひとつでしょう。
事業継続にあたって、被災時の資金面での安心は絶対条件でしょうから、利益保険への加入は大切でしょう。
特に設備が重要な製造業では必須だと思います。

また、上記の政策金利Ⅱを取得するためには、サプライチェーンにわたる防災対応がひとつの条件ですから、自社の意向に係わらず、取引先から防災対応を求められる、もしくは防災対応を行う企業のみ取引に応じる状況になると思われます。

「うちのトップは防災対策なんて考えていない」「防災対策にお金を掛けるほど景気は良くなっていない」という企業では、突然主要取引先から対応を迫られるかもしれません。

 このブログでも何度か書いていますが、どんなに家庭での防災対策が進んでも、企業のBCP策定や防災対策が進まなければ復興に大変な時間が掛かるはずです。

このブログを読んでいただいている方々は、防災意識の高い方だと思いますが、家庭の防災準備だけでなく、職場の防災対策にも積極的に取り組んでいただきたいものです。

損保ジャパンのニュースリリースは、こちら
日本政策投資銀行の「防災への取組み」は、こちら
 このサイトには、「事業継続計画(BCP)を巡る動向と今後の展開~日米企業の比較から~」(2006年3月) が掲載されています。 会社を説得するネタに使えると思います。

[過去関連記事]
右側のカテゴリーから、BCPを選択してください。

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August 27, 2006

BCP策定済みは、まだ15%

BCP(事業継続計画)策定済みの国内の企業は15%程度に留まっている。(8/26日経朝刊)
必要性を感じている企業は93%だが、策定中の企業をあわせても49%と行動に移している企業は少ない。
米国では、策定済みが62%、策定中を合わせると96%に達しており、国内企業の対応の遅れが目立つ。

 策定の遅れの理由を見ると、他社の取組み状況等「全般的な情報不足」が57%、「内容に関する情報不足」が38%と情報不足を要因に挙げる企業が圧倒的に多い。 まわりの状況を見てという日本らしい状況ですね。

また策定理由を見ても、「法令や規制による要求」34%、「株主や顧客・取引先からの要求」17%と、外圧によって策定した企業が半数以上。

 やはりコスト要因というネガティブなイメージが強いせいでしょうか、積極的に取り組んだ企業が少ないのが残念です。

この調査はKPMGビジネスアライアンスが、2006/5月に調査したもので、4452社中274社から得た有効回答からまとめたもの。 

BCPは、粗く作ってブラッシュアップして仕上げていく性格のもの。
情報不足や他社の状況を見てというのは、言い訳です。
中小企業庁のBCP策定運用指針では、基本コースは経営者が1~2日で策定できる程度のものを設定しています。

まずは簡単なものを作成して、自社の弱みを俯瞰して評価した上で、実効性のあるプランを仕上げるべきだと思います。

災害は明日にも起こる可能性がある訳ですから、一歩でも前に進んでいた企業は、従業員の命が助かり、すみやかな復興に繋がるはずです。 まず一歩を踏み出す事が大切ではないでしょうか?

また、政府や大企業はBCPを策定する企業(取引先)に対してインセンティブを与え、機運を高めるべきです。
日本企業全体でBCP策定が進まなければ、日本経済全体がダメージを受けて、BCPを策定した会社も顧客や取引先が復興できず、せっかくのBCP策定の効果が薄れてしまいます。

社員の立場の方も、自社のBCP策定が進まなければ震災後の生活の不安を感じるはずです。
 ご自身の生活にも係わる事ですから、社員としてもBCP策定の機運を盛り上げていくべきではないでしょうか?

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June 25, 2006

カルピスヒットのきっかけ

TVでロングセラー商品として、「カルピス」がヒットしたエピソードを紹介していました。
「カルピス」は、関東大震災の際に断水が続く中、カルピスを多くの人に無償で配った事がニュースで話題になり、一気に全国的に売れるようになったそうです。

 私は、企業のBCP策定が進む事が、震災からの早期復旧には大切だと考えています。
企業の防災対策というと、ネガティブなイメージ、コスト要因だけのイメージが強いために、積極的な導入に至らないのではないかと思います。

 このカルピスの例のように、企業イメージの向上や、CSR(企業の社会的責任)、従業員の会社に対する安心感・信頼感の向上に繋がるなど、もっとプラス思考で積極的に取り組んでいただきたいものです。

 それぞれの企業で、応急対策・復興対策に貢献できる事を策定し、顧客なり地域なりに事前に公表しておけば双方にとってメリットがあるのではないでしょうか?

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February 26, 2006

中小企業BCP策定運用指針

2/17中小企業庁が、「中小企業BCP策定運用指針」を作成し、Webサイトで公開を開始した。

入門診断、基本/中級/上級の三つのコースに分かれており、BCPについてMECE(互いに漏れなくダブリなく全体としてみて出尽くしている)に検討できるようになっているようです。

ボリュームとしては、以下のように想定されている。
基本:経営者1人で延べ1~2日程度。
中級:経営者1人で延べ3~5日、経営者とサブリーダー含め数人で2~3日。
上級:経営者とサブリーダー含め数人で延べ1週間程度。

本当にこれだけ短期間に整理できるかどうかは、若干疑問を感じるが、前提知識なしに学びながら策定できる点は、すばらしいと思います。

もっとも、この程度の手軽さで策定できるようなものを提供しないと、手をつけないのが実情でしょう。

BCPの策定の最も重要な点は、危機管理について客観的に網羅して見る事です。
たとえ基本レベルであっても、経営者が全てを俯瞰して見る事により、自社の強み・弱みを把握でき、改善の意識が生まれる事が大切だと思います。
 
 そしてBCPは一度策定すれば終わりではなく、計画・訓練・補強・見直し(PDCA)を繰り返し続けるものです。
ぜひ続けてください。

あなたが、経営者でなくても、ぜひ一読していただきたいと思います。
ご自身の部署、会社や取引相手がBCPの視点から見てどうなのかを知る、ものさしを手に入れる事ができるからです。

ライブドア事件に象徴されるように、これからはCSR(企業の社会的責任)や危機管理に対する取組みが、企業を選択する基準になる時代です。

みなさんの会社は、選ぶ側にも選ばれる側にもあるはずです。

被災後の復興に向けて、基本となるのは仕事が安定して復興に向けた生活設計ができる事。

あなたなり、同僚の方、社員が同じ危機意識を持って、日々の仕事に取り組めば改善される事もあるのではないでしょうか?

そして、このものさしは、個人・家族のレベルでも活かせるのではないでしょうか?

BCPを策定している会社は、地域貢献活動についても検討しています。
被災時には、地域住民を助けてくれるはずですから、BCPを策定している企業を応援してください。

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November 09, 2005

BCPに基づく耐震対策

大成建設がBCPを策定し、48時間以内に顧客の復旧活動を支援する計画を発表したようだ。(11/8日経夕刊)

このようにBCP(業務継続計画)を作成し、具体的にどの業務をいつ再開できるかを示す事は、ゼネコンをはじめ、災害復旧に携わる役割を持つ企業には必要な事だと思う。 
 
 早期のBCPの策定が顧客を安心させ、信頼を得る。 

危機管理というと、お金が掛かるだけのマイナスイメージが強いが、顧客の信頼・従業員の安心・被害発生時の競合他社より早い対応によるシェア獲得など、即効性はないが、お金では買えないものが得られるメリットもある事を考え、ぜひポジティブに捉え取り組んでいただきたいものです

話は変わりますが、大成建設のサイトを見ていたら、「事業継続(BC)のためのファシリティ構築」という記事を見つけた。

 興味深い内容だったので、ご紹介したいと思います。

BC(事業継続)デザインと従来の耐震設計の考え方の違いについて、耐震設計は「壊れないこと=安全」という観点だったのに対し、事業継続の観点から建物に必要な機能が維持できる事を前提に設計する事にある。

つまり、従来は「この建物は震度○まで耐えられます」で終わってしまい。 ライフラインが機能しなかったり、設備が使えなくなっても、それは別問題と考えられていた。

 たとえば病院などで、地震に耐えられたとしても、病院として必要な電気なり水なりが確保され、医療活動が行える状態を保って、はじめて病院として機能する訳です。

 BCデザインとは、その建物に必要な機能と優先度を考慮した設計を行い、最低事業のこの機能だけは48時間以内に業務再開するといった計画に基づいて、免震・耐震構造と共に非常電源の確保や水の確保など必要な機能を盛り込んだ設計を行う事のようだ。

大成建設では、ABCランクに分け、Cランクが建築基準法+阪神淡路大震災の教訓の基準で、人命保護・倒壊防止・避難確保など最低機能を備えたランクとし、Aランクを直ちに業務継続可能なレベルと設定している。

また、耐震対策といっても、大きな費用発生が問題となるが、具体的な事業継続計画に基づいて必要な部分に必要な機能を与える事に的を絞る事によって、優れた費用対効果が期待できる。

ITの世界では、システムの重要度に応じてバックアップシステムや安全性の確保をするのが常識だが、業務継続・防災に関しても同じ事である。

 奥様方には、企業の話で縁遠い事に感じたかもしれないが、家庭においても考え方は同じ。
命を守る事を最低限の備えとして(特に寝室や出口までの避難経路の確保)、事業継続(=日常生活)をするために、どのように対応するか優先順位を考えて備える事です。

いろいろなやり方があるでしょう。 地震保険を掛ける。耐震工事をする。もしもの時は実家に疎開すれば良い。
また、小さな子や老人がいる家庭では、その命を守るために必要な事があるはずです。

家庭で、BCP(事業継続計画)を作れとは言いませんが、やる事は同じです。
被害想定を行い、具体的な復旧計画を立てる。 この時、具体的にやるためには行政の防災計画などの基礎情報と、想像力が大切になります。
そして家庭の事業継続のためには、仕事があり収入がある事が大前提になります。
そのためには、会社が事業継続できる事が重要です。
 社員の方は、自分の生活を守るために、それぞれの立場から会社のBCPを推進すべきだと思います。 
 ご自分の担当の仕事を継続させるには何が必要か、どう行動すべきか検討し、下から上に上げていけば、全社員がそのような行動をとれば、会社も動くのではないでしょうか?

自分はそう思っていても、上司が聞く耳を持たない・・・ でも震災で倒産したり、リストラにあって一番困るのは、再就職の困難な中間管理職クラスのはずなんですが。

なんか、話題がコロコロ変わって取りとめがなくなってしまいました・・・ 
企業も家庭も、被害想定と具体的で詳細な復興計画は大切って話でした。

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August 15, 2005

中小企業のBCP

経済産業省と中小企業庁は、事業継続計画(BCP)の作成を促進するための指針を設け、BCPを作成した企業には低利融資を受けられる制度を設ける。 (8/14日経朝刊)

防災対策に投資する場合の低金利融資災害復旧貸付の事前予約ができる制度を設ける方針らしい。

欧米では、911テロ以降BCPを作成する企業が増えており、企業評価の指針となりつつあるが、国内では一部大企業しか作成していないと言われている。

一般の方は、縁遠い話かもしれませんが、震災発生後、復興するためには、企業活動が早く正常化する事が必要です。
 阪神大震災でも、企業が再開できないために、職を失った方も多いと聞きます。

どんなに家庭での防災対策をしても、職を失ったり、社会が正常化しなければ、元の生活は取り戻せないのです。

自分の勤める企業が、BCPを作成しているかどうかは、自身の生活の安定という意味で、無関心ではいられない問題だと思います。

 中央防災会議でも、「民間と市場の力を活かした防災力向上に関する専門調査会」を設置し、検討を重ね、8/1に「事業継続ガイドライン 第一版」を公表している。 今後BCP作成を促進するため、さまざまな動きがあると思われる。

また、中小企業庁では「中小企業事業継続計画(BCP)普及事業」を6月に公募していた。
 日経の記事の中で、来年2月には中小企業庁のサイトでBCP作成支援のシステムを公開する予定と書かれているが、おそらくこの公募した事業を元に作成されるのであろう。

大企業がBCPを作成する場合も、サプライチェーンを担う、中小企業がBCPを作成しなければ、具体的なプランは作成できないはず。 今後、大企業のBCP作成に伴い、取引先の中小企業にもBCP作成が求められるのは必至と思われる。 また、BCPの作成の有無で、取引先が選定される状況も出てくるのではないでしょうか?

今回、BCP作成を条件に、対策資金の融資策などをセットにした事は、とても評価できます。
経済活動(企業活動)の早期復興があってこそ、災害に強い社会になると言えるのではないでしょうか?

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